ShopSenseショッパーインサイトコラムでは、私たちが日頃実施しているネットワークカメラと動体検知技術を使った顧客行動の分析内容を紹介しながら、どのように活用していくのかを毎回テーマを決めてお伝えしています。

【第29回】 リアル店舗のショッパー動線分析事例
―売上アップの為の分析とコンサルティング―

(2011年3月11日)

本年になり、外資系メーカー様や総合広告代理店様だけではなく、内資大手メーカー様からも「ショッパーインサイトを分析したい」「行動調査を始めたい」というお問い合わせや相談が増えてきました。また同時に、店舗様からは『動線分析』について相談されることも多くなりました。そこで、今回は弊社事例の中でも外資系ブランドショップでの動線分析事例についてご紹介します。※以下レイアウト図や数字はサンプルです。

 

サンプルプロフィール
<メーカー>

 

<実施店舗>


※ネットワークカメラを2台設置
【図@店舗レイアウトと動線一覧(ランディングルート分類)】

 

<実施目的>
購買確率を上げる。ショッパー行動からそのヒントを探り改善策を見つける。

 

<検証項目と結果>

  検証項目 検証結果
商品接触が購買に繋がっているか? 商品接触と購買との相関はないことが判明
動線(ここではランディングルート分析)ごとの購買確率の違いはあるか? 調査4ルートに関して、購買確率が高いルートと低いルート(購買確率0%)がある事が判明
その他、購買行動の特徴はあるか?

「購買確率」が高い性別年齢が判明
(POSから分かる「購買点数」が多い属性とは無関係である事がわかった)

店員配置と購買確率の相関を発見。
(顧客来店時の店員配置を21パターンに分類し数値化)(下図A参照)

 


【図A】

 

<調査結果を元にした店舗改善>

  改善項目 詳細
『購買確率が高いルート』に顧客を誘導 店員の配置を変更
店員の接客方法を『更に購買確率を上げる』方法に 調査によって判明した「購買に繋がる」店員の行動を他店員にも展開

 

<改善策の実施後の売上結果>
来店者の購買確率が2倍に向上(特定日では最大6倍に)

 

<考察>
動線分析を実施する場合、店舗全体で大規模に実施することもありますが、上記の事例のように店舗の特定箇所にカメラを設置しただけでも、その映像からは購買行動の特徴が明確になります。それにより、購買力を上げる(つまり売上が上がる)ヒント、売上が下がっている理由を得る事ができ、効率的な売上アップの施策が打てるのです。(ウェブサイトの改善でいうと、ランディングページの対策に近いイメージです)

本結果は当該業界内において、相対的に購買確率が低いブランドショップでの導線分析の実施結果です。それに比べ、スーパーやドラッグストア等のケースでは、比較的購買確率が高く、その数値を改善することが難しい場合があります。そのような業態のケースでは顧客単価の向上、つまり購買点数や購買単価向上のための分析や改善を実施することが可能です。まずは簡単な滞在時間などのショッパーの行動分析を行った上で、POSデータとの照合を実施してその相関性を見たり、各売場との関係性を調査するというように少しずつ段階的に行う事もできます。

また導線分析において、集計データだけではなく映像観察(行動観察)も併せて実施することが、より良い改善策の発見と売上向上に繋がります。特に行動観察はデータ化するための項目を発見することを主眼とし、その後その軸で統計分析を実施することが大切です。少ない映像サンプルで行われていた結果や特徴だけを見て、あたかもそれが全体を表すように考え、一般化して解釈してしまうことは避けるべきでしょう。

 

【行動観察の手順と正しい進め方】

このように、映像とデータを行き来しながらの行動観察が店舗改善・売上向上に有効な分析プロセスとなります。

 

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