


ShopSenseショッパーインサイトコラムでは、私たちが日頃実施しているネットワークカメラと動体検知技術を使った顧客行動の分析内容を紹介しながら、どのように活用していくのかを毎回テーマを決めてお伝えしています。
【第20回】非接触および非購買データの時系列解析
〜時間の経過とともにデータはどう変化する?〜
(2010年11月5日)
小売店では、ひとつの棚にいくつもの種類の商品が陳列されていますが、そこには頻繁に触られるものもあれば、逆に全く触られない商品も存在しています。一般的に、商品が全く触られない確率は、陳列した時間の経過とともに低下していくはずです。時間の経過が接触の機会を増加させているとも考えられるからです。
そこで実際に陳列されている全商品数に対して、「全く触わられない商品(非接触商品)」の割合を1週間単位でとり、それを時系列プロットしてみると図1のようになりました。

【図1】ある棚における非接触商品(接触回数=0)の割合と非購買率の推移
図1を見ると、時間経過に伴って非接触率と非購買率が減少していることが確認できますが、僅かな減少変化と言えます。そして非接触率と非購買率は相関しており、接触率が上がれば購買率も上がるという関係がみてとれます。
次に、ある棚における「接触数が1回以上かつ5回未満」である商品の割合と、その時の非購買率を計算して同じく時系列プロットしたものが図2です。

【図2】ある棚における接触数が1回以上5回未満の商品割合と非購買率の推移
まず接触数の推移を見てみると2週の時点で最大値に達しており、そこからゆるやかに減少している傾向があります。この場合、ある時点をピークに接触の頻度も購買率も安定的に推移していくと予想できます。
さらに「接触数が5回以上」である商品割合の推移をみてみましょう(図3)。

【図3】ある棚における接触数が5回以上の商品割合と非購買率の推移
まず、時間の経過と供に、接触される商品割合がある時点を機に飛躍的に増加している事が分かります。そして特徴的なのは、非購買率がどの時点でもほとんど0(0.1未満)になっているということです。
換言すれば接触数が5回以上の商品は、まず間違いなく「買われている」(=購買率はほぼ100%に近くなる)ということです。
以上のことをまとめると、下記のようになります。
(a)全く触られない(接触数が0である)商品比率は時系列的にゆるやかにしか減少しない、言い換えると時間が経過しても飛躍的に触られる事はない
(b)接触数が1回以上5回未満である商品割合のケースに着目すると、その割合はある時点をピークに減少あるいは安定的に推移し、購買確率も同様の形で推移する
(c)接触数が5回以上である商品割合に着目すると、時間の経過が接触数を増やすが、購買率はどの時点でもほぼ100%である
このような結果から、全く触られない(=買われない)商品は、時間が経過するだけでは接触率が飛躍的に上がるわけではない為、この商品の陳列位置を変更するか、もしくはPOPやパッケージデザインを工夫することで接触の機会を増やすように努める必要があるといえます。一方で接触数が多い(接触数5回以上)商品は時系列的に接触率が増加しても、購買率自体は大きく変動しない(5以上であれば買われる比率はほぼ一定である)為、単に接触の機会を多くするという施策は効果的ではないと言えます。この場合、接触率と購買率が比例して変化する「接触数が1回以上5回未満」の商品群に、購買率に変化を生み出す可能性が潜んでおり、この商品群によりフォーカスし、見方を変えながら横断的にデータを検証すること、そして最適なプロモーション施策を検討していくことが、売上拡大策を見つけ出す近道になると言えるでしょう。
当コラムへのご感想や解析テーマのリクエスト等ございましたらこちらからお気軽に御連絡下さい。
コラム一覧:
2011年
2010年
2009年