


ShopSenseショッパーインサイトコラムでは、私たちが日頃実施しているネットワークカメラと動体検知技術を使った顧客行動の分析内容を紹介しながら、どのように活用していくのかを毎回テーマを決めてお伝えしています。
【第21回】 ブランド比較に有効な指標とは?
(2010年11月12日)
商品(ブランド)を比較する際、POSデータから売上データを集計し、その比較を行う事は、最もポピュラーな比較法・指標の一つです。売上点数の多いブランドは「人気がある」、点数が少ないものは「人気がない」という解釈が出来ます。しかし「点数」だけでブランドの人気度を結論づけてしまうのは少し安易と言えるかもしれません。なぜなら、売り場で触られたかどうかという“接触データ”が得られていないからです。接触は、商品への興味を表すとも考えられ、またそのデータが得られると“購買率(購買数/接触数)”、つまりそのブランドに興味を持ったショッパーのうち、何割が実際の購買に至ったかというデータも算出することができます。従って、購買結果から深堀した数値まで明確にすることで、より精緻なブランド比較が可能になってきます。
そこで今回は POSでは得られない“購買プロセス”にフォーカスし“接触数”を算出し、併せて“購買数”を用いて計算される指標をご紹介致します。これにより、商品(ブランド)の購買率を得ることができ、さらにこうしたいくつかの指標の総合評価として1つの指標を計算することにより、より明確にブランド間の比較ができるようになるのです。
さて、まずは今回の記事で紹介する指標を以下のように定義します。

※それぞれ100人のショッパーを1つの母集団として指標を算出。
ここでPRPとはPerson Rate Pointsと呼ばれるもので、この指標は100人のショッパーのうち、“何人が購買するか”ということを表現し、次にCPR(Conversion Rate Points)は100人のショッパーが“何点購買するか”を表しており、最後にあるHTP(Hundred Touch Points)は100人のショッパーが“何回接触するか”を表します。そしてこれら3つの指標を統合したSII(Shopper Insight Index)を次のように定義します。

さて、表1はある商品主要4ブランドについて上記の4つの指標:PRP, CRP, HTP, SIIを計算した結果をまとめたものです。さらに総合得点といえるSIIのデータをプロットしたものが図1に示してあります。これは以下のような事を意味しています。
全て足し合わせたものがSIIであり、これは総合得点と解釈することができます。
表1 ブランド間比較のための指標一覧
| PRP | CRP | HTP | SII | |
| ブランドA | 70 | 77 | 163 | 310 |
| ブランドB | 44 | 44 | 172 | 260 |
| ブランドC | 23 | 23 | 136 | 183 |
| ブランドD | 6 | 6 | 106 | 119 |
PRP : 100人のショッパーのうち"何人が購買するか"
CRP : 100人のショッパーが"何点購買するか"
HTP : 100人のショッパーが"何回接触するか"
SII : 上記3つの総合得点(合計)

図1 SIIによるブランド間比較(表1のSIIをプロットしたグラフ)
これだけでもブランド間の総合評価(比較)を検討することができますが、こうした指標をよりテクニカルに活用することができます。その方法をさらに紹介していきます。
それでは図2をご覧下さい。

図2 コレスポンデンス分析によるカテゴリ特性分類
これは、我々が持つ実際の店舗での接触数・購買数をもとにしたデータです。(統計手法(コレスポンデンス分析)によって商品カテゴリを平面状にプロットしたもの)それぞれのブランドPRP/CRP/HTPを算出し、その相関関係を平面にプロットしたものです。ここからは以下のような傾向が分かります。
つまり、今回の指標に立ち返ると以下の事が分かります。
このようにブランドや商品カテゴリごとの指標を計算し、さらにそれをある分析手法(コレスポンデンス分析)によって分析することで類似カテゴリの分類と、分類された各カテゴリの特徴(売れ方)が視覚的に確認することができるのです。
今回はPRP、CRP、HTPという3つの指標のデータに基づいて分析されましたが、他のデータを活用すればより特徴的な結果が得られる可能性を秘めています。購買情報を様々な観点からデータ化する事で、より効果的な指標作りを実現する事が明らかになりました。購買情報を増やして、ブランド比較の指標を増やしてみませんか?
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